ずっと興味を持っていたモデルです。発売当時(2012年？)の価格は３万円強、充電式で3時間充電で12時間使用可能、出力はこのサイズで破格の8W！　音はTivoli One譲り(の筈)。Tivoli Oneはオーディオ界の立志伝中の人物のヘンリー.クロス氏の傑作と呼ばれた極めて上質なラジオ、と言う流れから言えば期待して当然です。ポップな外観とは裏腹で内部に高級な部品がふんだんに使われていて、耐久性も折り紙つきの筈....。と言うのが入手する迄の小生の思いでしたが、見事に違いました。これで３万円と言うのは殆ど騙しです。内部を開けても実質１万円のモデル程度の部品しか使われていない。唯一多少は強力そうなスピーカーを入れていますが、φ60mm程度です。密閉型としてもっと強固なボックスに入れて20W位ぶち込めれば違う音になったでしょうが、8Wでは多分足りない。それが証拠にソニーのIC11と鳴き合わせると、音の鮮度、存在感で全く負けています。ソニーは非力そうな9.2cmで1.1Wしかないのに。但し、理解は出来ます。密閉型で重い丈夫なコーン紙を動かしているので、ソニーのそれに比べて能率は6db程度ダウンでしょう。9.2cmと6cmでは面積で半分以下。となれば、効率では1／8以下。後は能率の良い方が小出力では鮮度の高い音になる...。実際にそんな感じです。Tivoli Oneはとても良い良いラジオで、今でも状態の良い物が出れば１万円以上しても買う価値は有ります。内部に使われているパーツも良い物だと分かります。このモデルはそんなTivoli Oneの名声を利用して安易に儲けを狙った物でしょう。充電式と言うのは発売当時ではそれなりにアドバンテージを持っていましたし。それが15年近く経ち、充電池も使えなくなると魅力としては半減以下です。と言う訳で、正体見たり枯れ尾花。結構残念な一台でした。この個体は多少のキズ、汚れはあるもののACアダプターで使う分には何の問題も有りません。小型でデザインも魅力的です。12Vのアダプターが必要ですので、中華製の汎用アダプターをおつけします。小生の見方は可也厳しくシニカルですが、これをどう感じるかは人それぞれです。良いラジオだと確信があれば今の価格は安いでしょう。小生としてはこれにBluetoothが付いても精々1.5万円ですが。

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